「感覚・味覚教育教師養成講座Ⅰ」

2012年3月3日~4日に開講した学習院女子大学フードコンシャスネス実行委員会による「フードコンシャスネス・インストラクター養成講座」の「感覚・味覚教育教師養成講座Ⅰ」は、おかげさまで盛況のうちに終了しました。(後援:文部科学省・農林水産省・イタリア大使館/協力:横山香料株式会社・森永乳業株式会社)

受講したのは、大学や小中学校の教員・栄養教諭・保育士など教育現場に携わっている方々をはじめ、栄養士・フードコーディネーター・スローフード協会会員など日常的に食に関わっている方々、地域活動支援者や省庁関係者など、その顔ぶれは多岐にわたりました。

2日間にわたる講座の講師は品川明実行委員長。1日目は、フードコンシャスネスの意味や「4つの心」で食を意識する大切さ、インストラクターとしての心構えを備える講義の後、五感の再獲得や5つの基本味を認識するアクティビティ(グループ活動)に突入。受講者を6班に分け、アクティビティごとに代表を交代してグループ内の意見を集約・発表する講習方式により、全員がリーダーとなる機会と発言する機会を得て活発な意見交換が繰り広げられました。

2日目は、小さくカットした白い食べもの、牛乳を使用した食味のアクティビティに続き、中野美季講師がラボラトリー(理論と体験を含む参加型授業)の組み立て方を講義。自身が構成した「ハチミツラボラトリー」を披露し、実際の授業展開について受講者と質疑応答を交わしました。

感覚と味覚に関する様々な授業展開を体感した講習の最後は、前日に出た宿題「授業づくり」のグループ発表です。個々に作成してきた宿題を班ごとに話し合い、1案にしぼってさらに構成を練ります。米を題材に中学生とその保護者を巻き込んでの授業展開あり、園児たちが大好きなカレーライスを観察する学習案あり、明日にでも学校や地域で応用できそうな授業案が発表され、拍手喝采のうち講座は幕を閉じました。

  • 3種類の牛乳をテイスティングし、感じたままを表現する。子どもたちは人と違った表現をしようと言葉を工夫するので、インストラクターは子どもが表現したままを受け止める。

  • 「ラボラトリーで使用する食材は、地域性があり、高品質であること、そして特徴がはっきりわかるものが適している」と中野美季講師。

  • 「ハチミツラボラトリー」でテイスティングしたハチミツは7種類。ミツバチの生態やハチミツの特性など基礎知識を学んだ後、色・形状・輝き・香りを楽しみながら口に含み、味覚の記憶を深める。

  • 「実際の授業ではどのグループにもまんべんなく発表の機会を与えること。時間がないからと1グループでも抜かすと、子どもたちは学習意欲を失う」と品川明実行委員長。

  • 「授業づくり」シートには、授業テーマ・対象年齢・アクティビティの内容と期待される教育的効果を書き込む。プレゼンのために、ひと晩かけて資料を作成してきた受講者も。

  • 柑橘類の酸と太陽のSun、風土とFoodをかけた「元気みやざきSun Sun Foodプロジェクト」や「地元の料理人と第二の郷土料理を作ろう」など、ユニークな授業づくり案が飛び出した。

  • 「ぜひ学校や地域でフードコンシャスネスの輪を広げてください」と江口泰広運営委員長。受講者全員に「感覚・味覚教育教師養成講座Ⅰ」の修了証が授与された。

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主な講習内容

はじめに感覚・味覚教育の心構え:
① 感覚・味覚教育の意義と目的
② 感覚・味覚教育におけるプログラムの背景
セッション1感覚・味覚教育の目的と指導方法:
① なぜ五感は大切か
②「教える」ことの意味と体験学習法
③ アクティビティの作り方
④ ファシリテーションの留意点
セッション2食生活アンケートと自分の味覚力判定
セッション3五感の役割:触覚・聴覚・視覚・嗅覚・味覚のアクティビティ
セッション4「基本味」に関する知識と体感のセッション:
①「基本味」の生理的意義
② 味覚と食生活の関連性(重要性)
セッション5「旨味」に関するセッション(日本の食文化)
セッション6「風味」に関するセッション:味覚と嗅覚の統合、味と風味の差
セッション7「食味」に関するセッション:視覚・嗅覚・触覚・味覚・嗅覚の総合判定と「食味」に関するアクティビティ
セッション8食べ物(生鮮素材、加工食品、調味料など)を使った実践
セッション9授業づくりのコツ
① 感覚の組み合わせと授業づくり
② 目的に合わせた授業づくり
③ 学年に合わせた授業づくり